マニラから北東へ車で約6時間、太平洋とシエラマドレ山脈に囲まれたオーロラ州の首都バレールは

近年サーフィンスポットとして注目を浴びています。

しかしながらバレールは、ケソン元大統領の出生地でもあり、

またフィリピンを統治していたスペイン軍が最後まで戦いを続けた地としても有名で、

歴史的なスポットもありますのでサーファーでなくても訪れる価値のある町だと思います。

現地の見所を紹介致します。

 

2011年に地元出身の大物政治家アンガラさんによって建てられたバレール400年記念のモニュメント。

塔の向こう側は、町役場となっています。

 

モニュメントの反対側には、ケソン元大統領の生家があり博物館が建てられています。

 

マニュエル・ケソン大統領は、コモンウェルス(独立準備政府)初代大統領で、

20ペソ紙幣にも描かれています。

 

ケソン元大統領の銅像の先に博物館があります。入場料、30ペソ。

 

博物館内にある、ケソン元大統領の胸像

 

 

フィリピン独立前に、スペイン兵士が約1年バレールの教会に立て篭もった
「SIEGE OF BALER」と呼ばれる歴史的事件のコーナー

 

バレール出身、現代の大物政治家アンガラさんのコーナーも設けられています。

 

 

 

この他、1階の奥に「SIEGE OF BALER」を題材にしたフィリピン映画「BALER」のコーナーもありましたが、

特に展示品はありませんでした。

 

博物館の隣に設置されているケソン元大統領の生家。

元々は、現在は博物館の入口あたりにあったそうですが、脇の方へ移動されていました。

 

家の中は、ミニ博物館となっています。

 

ケソン大統領の生家の隣に設置されている車は、

アメリカのゼネラルモーターがケソン大統領のために作成した車でありましたが、

実際にはダグラス・マッカーサーがフィリピンで使用していたのだそうです。

 

「SIEGE OF BALER」の舞台となった、バレール教会は、博物館から徒歩1分程度

 

1898年6月27日~1899年6月2日までの約11カ月間に渡り、

スペイン軍が教会に立て籠って抗戦を続けたことが書かれています。

当時フィリピンは、約330年間に渡るスペイン統治に反抗し、

スペインからの独立運動を展開していました。1898年6月12日には、

フィリピン共和国初代大統領アギナルドが独立を宣言していますが、

立て篭もったスペイン兵は自国政府との通信が遮断されていたこともあり

表面上フィリピンが独立した後も戦いを続けていたということになります。

 

 

教会内部の様子

 

教会から道を挟んだ反対側には、ケソン元大統領の奥さまであったオーロラさんの生家も博物館となっています。

上述のバレール博物館の入場料30ペソで、こちらの博物館も入場ができます。

 

 

 

ケソン大統領とオーロラさんは、いとこ同士であったそうです。

現代のフィリピンではいとこ同士の結婚は認められていないようですが、当時は可能であったようです。

 

オーロラ州は、元々細長いケソン州の一部でしたが、北部と南部の間に山があり統治が難しかったため、

1979年に北部がオーロラ州となり分離しました。

ケソン州はケソン大統領の名前から、オーロラ州は奥さまの名前から名づけられています。

ケソン元大統領は、1944年病気のためフィリピンの独立を見る事なくこの世を去りましたが、

奥さんのオーロラさんと娘さんは1949年、抗日ゲリラであったフクバラハップによって暗殺をされています。

オーロラさんの生家の隣には、ケソン元大統領が使用していたクライスラーのリムジンが展示されています。

 

バレール町役場の一角に建っている観光事務所

 

観光事務所のニーニョさん、バレールの観光スポットをいろいろと説明しながら教えてくれました。

 

プリンターで印刷をしたものですが、観光スポットの地図も無料でもらえます。

博物館で展示のなかった映画「BALER」についても教えてくれました。

「SIEGE OF BALER」を題材にした2008年公開のフィリピン映画
ジェリコ・ロサレス、アン・クルティス主演

公開当時、非売品のDVDを観光事務所でも何十枚かもらったそうですが、

既に関係者に配られて在庫がないとのことでした。

 

こちらは、1945年制作のスペイン映画。「LOS ULTIMOS DE FILIPINAS」
話は同じく、「SIEGE OF BALER」を題材としているそうです。

 

バレールの観光スポットは、トライシクルで周るようになります。近場は、500ペソ~

バレールの町は、タクシーはおろかジープニーも走っていませんでした。

専用車が無い方の移動は、トライシクルになります。

 

現地でメインの乗り物ですので、比較的簡単にトライシクルはつかまります。

 

コスタパシフィカリゾート
今回現地での宿泊は、ねもとトラベルで契約のあるコスタパシフィカにしました。
地元出身の大物政治家アンガラさんの経営で、現地唯一のファイブスターホテルです。

 

 

 

ホテルの建物と海の間に、プールが設置されています。

 

 

フロントデスク

 

レストラン、朝食はこちらで食べれます。

 

 

今回泊まった、ジュニアプレミアルーム(ガーデンビューになります)
コスタパシフィカは、全106室ですが、このタイプのお部屋が一番多く34室あります。

 

 

 

 

ホテル受付のあるビルから道を挟んで反対側にある別館は、

こちらのホテルの安いタイプのお部屋である、カーサ・デ・バヒアと、カーサ・ロフトが入っています。

その次に安い設定のカシタ・デラックスルームは、本館から約250m離れた建物となります。

よりまして、メインのビルディング付近のお部屋をご希望の方は、

JRスイート以上のタイプで御注文をお願い致します。

 

 

サバンビーチ
ホテルの目の前のビーチが、サーフィンスポットのサバンビーチです。

 

 

 

海岸手前の遊歩道に、サーフィンのレッスンを行ったり、ボードのレンタルをするショップや、

レストランが何軒もあります。

 

 

 

 

ワーゲンのボンネットでBBQを焼く御店

 

サーフィンのレッスンは、ボードレンタルも含め、1時間350ペソ~が相場のようでした。

何時間くらいレッスンすれば、波に乗れるようになるのでしょうね?

その他、1日8時間ボードだけレンタルする場合は、800ペソ程度

ここサバンビーチでは、毎年2月の第2週にサーフィンの大会が開かれているそうです。

フィリピンの気候の関係もあると思いますが、ここバレールでのサーフィンのシーズンは、

9月~3月だそうです。ビッグウェーブを期待するなら9月~12月がいいそうです。

逆に今の時期、8月くらいまは波が穏やかなので初心者にはよさそうです。

 

 

 

コスタパシフィカは、別格に良い宿ですが、サバン海岸沿いにはサーファー向けに

トランジットハウス等の安い宿が立ち並んでいます。

エアコン無しで、1泊700ペソ~

 

 

トランジットハウス等は、ねもとでは契約がありませんが、

繁忙期で無ければ直接現地に行かれてから宿を探すことも可能だと思います。

 

バレールは、人口が少ないためかジョリビーやマクドナルドはありませんでしたが、

同じくファーストフードであるチャウキンは、

トラックの荷台を店舗として「CHOW VAN」という名前で営業していました。

 

夕食は、ホテルやサバン海岸沿いにあるフィリピンレストランで取ることもできましたが、

今回バレールの観光事務所の方からお勧めのあった「ピクニックベイ」へ、

トライシクルで出かけてみました。

 

 

フィリピン料理のビュッフェです。20品以上料理があって、スープやフルーツも食べられます。

飲み物はアイスティーでよければ料金に含まれて、一人200ペソとリーズナブルでした。

アイスティー以外の飲み物は、ビールも含め別料金。

 

朝食はホテルで食べましたが、ランチはバレールのメインストリートであるケソン通りにある

トロトロレストラン「YOLLY’S」で、食べました。

 

調理済みの料理から食べたいものをチョイスする形です。

おかずは1品60ペソ程度。ご飯と飲み物追加しても、一人100ペソ程度の予算で食べられます。

スープは無料で付きます。

地方へ出かけますと、日本食は殆ど皆無ですが、

フィリピン料理にこだわりが無い方であればバレールは食事の心配はあまりない町だと思います。

 

 

 

ハーギンブリッジ
バレールの町中から車で5分くらい走りますと、吊り橋がかかっていました。

現在、渡ることが禁止されているようですが、地元の人はおかまいなしに歩いているようでした

 

 

エルミタヒル
バレールの町から橋を渡って南に15分ほど走ると、エルミタヒルと言う丘があります。
高台ですので景色のよいところです。

 

向こう側の海岸が、サバンビーチ

 

サバンビーチとは逆方向は、こんな感じです。

 

エルミタヒルから更に南に車で20分ほど走りますと、

ボラカイのようなホワイトサンドビーチがあると聞き、でかけてみました。

 

DICASALARIN BEACH

日光のいろは坂のようなくねくね道を上り、ビーチへのゲートがありました。
このプライベートビーチも、アンガラさんの持ち物のようで、

直接出かけると300ペソの入場料がかかるとのことでしたが、

姉妹店のコスタパシフィカに泊まっている方は100ペソと割引料金で入ることができます。

 

ゲートから更に車で5分ほど走り、駐車場に車を止めて、更に徒歩で5分ほど歩くとビーチへ出ます。

ボラカイほど白くは無いかもしれませんが、サバンビーチから比べれば確かに白かったです。

 

 

更に海岸を南に10分ほど歩き、約700段の階段を登ると灯台へも行けると聞きましたが、

この日はとても暑かったので灯台行きは断念をしました。

 

 

敷地内にある、アーティストビレッジ

 

 

 

館内はギャラリーとなっています。

 

ここDICASALARIN ビーチは、宿泊施設もありますが、

4人部屋で12000ペソ以上と結構高い設定となっていました。

スタッフも通いはできないので、住み込みで働いているようです。隠れ家的な宿です。

 

ゲートからビーチへの道中は、とても景色がよかったです。

 

エルミタヒルとDICASALARIN ビーチの間は、岩場もあります。

 

バレール港

 

 

サバンビーチのどんつきは、まだ橋がかかっていませんでした。

 

収穫したココナッツを、市場へ持っていくところでした。

 

現地バレールには、ケソンのクバオからバスが出ています。
途中の町も停まる通常のジェネシスバスは、1日4本。クバオからの運賃は450ペソ

昼間の移動だと、7時間くらいはかかると思います。

ジョイバスは、車内にトイレが付いているので途中停まらない直行便です。
28シーターと、40シーターがあり、前者が高く運賃700ペソ、後者は635ペソとなっています。

直行便だと5時間くらいでしょうか。

どちらのバスもオーナーは同じだそうです、直行便と通常便でバスの名前を変えているようです。

 

バス乗り場近くの市場の一角に、バレール観光事務所認定の御店がいくつか入っている

「パサルーボンセンター」お土産屋さんがあります。

 

お土産物のお財布を作っている少女。現地の人は恥ずかしがり屋なのか写真を撮らせてくれませんでした。

マニラとは違って、とても素朴な方たちが多かったです。

 

 

 

バレテツリー

バレールの町郊外、車で20分ほどのところに、樹齢600年の大木があります。
こちらはバレール町ではなく、隣のマリア・オーロラ町に属しています。

お化けが出そうな木だと思っていましたら、実際フィリピンの人たちもそう信じている人が多いようです。

枝や葉を家に持ち帰ると、お化けに祟られるという迷信があるそうです。
高さは、約60m

 

地上から3mまでの高さまでなら登っていいそうです。

 

大木を管理している公園への入場料、大人10ペソとなっています。

 

隣のヌエバ・ビスカヤ州とオーロラ州の州境

 

州境のマリア・オーロラ町は、ケソン大統領の長女の名前から付けられているそうです。
ただ真ん中の銅像は、お母さんのオーロラ・アラゴンさんのものになっていました。

 

バレールへの道中には、一車線しかない橋もかかっています。

 

ヌエバ・ビスカヤの手前、ヌエバ・エシーハ州にあるパンタバガン町
近くに湖があると聞き、寄ってみました。

 

パンタバガン湖。ブラックバスやティラピアが生息していて、釣りのトーナメントも開かれているそうです。

 

バンカボートは、1日3500ペソで貸し切れるそうです。

 

 

 

道中で見かけたファイヤーツリー

 

マニラからバレールへバスで行く際には、

ヌエバ・エシーハの大都市カバナトゥアン経由で向かうのが一般的ですが、

カバナトゥアンは混むイメージがありましたので、

今回は新しく開通しましたTPLEX(タルラック・パンガシナン・ラウニオン高速道)で、

プラまで高速を走り、カバナトゥアンを避けるルートで向かいました。

写真は、プラ(PURA)の料金所。

参考までにNLEXの入口バリンタワックより高速料金380ペソでした。

バレール近くに空港はありましたが、現在定期便が飛んでいないため、マニラからは陸路での移動となります。

夜間渋滞が無い時間帯であれば、片道5時間程度で行けそうですが、

昼間の時間帯ですと片道6時間以上は覚悟しないといけないと思います。

 

 

移動に時間はかかりますが、その分開発され過ぎていない自然を堪能できるところです。

現地の人々も、とても親切で良い町でした。機会があれば、再度訪れたいです。

 

バレール観光事務所の方からいただきました、バレールのプロモーションビデオ